by Snowrii
不況下で完全に市民権を得たのが「安い店」といわれる低価格店です。料金も安く、カット・シャンプー・顔そりなど一通りのサービスを短時間で受けられます。特に最近売上げを伸ばしているのが、安店の中でも顧客の要望をかなり聞いてくれる「レベルが高いのに料金が安い店」です。実際、通常の3500円くらいの料金の理容店と比較しても、サービス面で大して違わない安店も多く現れています。こうした店が増えてくると、通常、料金体系の見直しが行われます。料金を現状のまま維持したい店は、それなりの付加価値のあるサービス内容を提供せざるを得なくなります。日本でも、料金・価格を下げた業者が出てきたために、証券会社の手数料や航空会社の運賃が、50%と大幅に下がっています。また、高齢化が進展する中で、今後伸びる可能性が高い業態は、シルバー層向け専門店です。
高齢者向けのスタイルや、カラーの技術を持っていることが不可欠になります。また、一人あたりの施術時間を長めにとる、顧客の話を聞いてあげるなど、お店の従業員にとって負担が大きいという面もあります。最近は、美容室の中にも、若いお客さんと中年以上のお客さんを両方相手にするのではなく、明確に中年以上のお客さんだけを相手にし、そのために、従業員の年齢層もあまり若くしない、というお店もあります。また、多くの街中の、経営者の年齢層が上がってきているほとんどの理容店は、シルバー層向け専門店として業態化できるのではないかと思います。ただ、理容と美容とでは、シルバー層向けに特化することで店への影響が異なるということです。
すなわち、理容は高齢者でも若年層でも同様に必需品ですが、美容は高齢者になればなるほど、パーマなど生活に必需品でないサービスのウエートが低下し、利益率に影響してくることが予想されます。さらに、今後は、高齢者福祉と理容・美容が結びついて行きます。すでに、理容店に行けない老人のために、地域の老人ホームなどに理容師が出張して調髪し、行政が理容師に 対して補助金を出すというケースも見られます。もっと進んで、「高齢者美容」という分野を切り開こうという動きもあります。