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慎重な投与を要する薬物

薬の中には「慎重な投与を要する薬物に関してのリスト」というものが存在するようです。薬物有害事象を回避することを目的としていることはもちろんですが、リストの薬を回避することで服薬数を減少させ、服薬アドヒアランスの改善を目的としているようです。高齢者にとってこれらの薬物は、他の薬物に比較すると有効性と安全性の点で劣り、代わりとなる薬物があると判断されたものを指しているようです。薬物を一か月以上服薬する場合には、このリストを適用し、チェックしていくのが一般的とされているようです。

薬を変更した医師は、その旨を関連職種に告知することや、患者の状態を今まで以上に定期的に確認することも大切であり、保険薬局への通知も大切になってくると言えるでしょう。特に以前の処方に戻らないよう診療情報提供書を用いて通知することは必要不可欠であると言えるでしょう。医師のアルバイトであっても、その情報は共有されることが望ましいと言えるでしょう。

一般的に、処方を継続すると有害事象を起こす可能性が高い不適切処方をPIMsと呼んでいるようですが、日本の在宅高齢者患者の約半数がPIMsを受けているのが現実で、その内8%の患者に有害事象が認められてしまったという報告があるようです。医師と薬剤師がPIMsに対して共通した問題意識を持ち、「慎重な投与を要する薬物に関してのリスト」を有効に活用することが重要となってくるのではないでしょうか。しかし、リストを活用する際に、機械的に判断するのではなく、個々の患者の事情も考慮し「個々の患者に合わせた判断」が大切となってくるのではないでしょうか。

夫が自宅で介護をしていた83歳の女性が、褥瘡がひどくなり入院した例を見てみましょう。この時、入院をきっかけに服薬状況を調べたところ、介護している家族は薬について知識不足であり、薬の名前や服薬理由など不明な薬が多くあったしょうです。全ての服用薬を調べた結果、『高齢者の安全性薬物療法ガイドラインに記載されている薬を、一か月以上にわたり服薬していることが判明したそうです。その後は、薬の減量および変更などを行い、介護強化のために、介護サービスの導入をはかったそうです。

薬も英会話も、きちんと使いこなすには、生活の中で必要な知識を学び、不明な点等はすぐに解決しておくことが大切と言えるのかもしれません。